生野鉱山及び鉱山町の文化的景観
いくのこうざんおよびこうざんまちのぶんかてきけいかん

生野鉱山及び鉱山町の文化的景観

文化的景観の紹介

「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観」は、鉱業を中心とした生産都市機能と、それに付随する消費都市機能の結びつきを基礎として土地利用がされてきた景観地です。鉱業は、探鉱、採鉱、選鉱、製錬、精錬からなり、鉱山開発に伴い輸送、エネルギー、製造、建設、林業などの産業が付随し、その産業に多数の労働者等が従事することにより、居住機能やそれらを支えるサービス機能などが、鉱山に近接する形で形成された鉱山町となっています。

選定範囲は、概ね近世の「生野銀山廻り」といわれる区域で、消費都市として機能した口銀谷地区、現在も鉱業生産が行われている太盛地区、かつて生産機能を有し、現在は居住地として機能する奥銀谷地区、かつて採掘の中心地で、現在は鉱山遺構の展示機能を有している金香瀬地区の4地区からなる鉱業都市構造をしています。

生野鉱山及び鉱山町は、天文11年(1542)の蛇間歩における銀鉱脈の発見を端緒として本格的な銀山開発が始まり、織豊時代の隆盛期を経て近世に鉱山町としての形態がほぼ完成しました。明治に入ると近代化モデル鉱山として劇的な変化を遂げ、昭和の閉山後も引き続き鉱工業が継続され、さらに現在でも国内唯一の錫製錬や、レアメタルリサイクルなどの鉱工業が営まれており、日本で唯一、中世から近現代までの鉱工業技術史及び鉱山都市史の変遷を理解することができる「今も生きている鉱山町」としての鉱工業都市景観が維持されています。

近世に形成された鉱山町の町割をほぼそのままに、江戸時代の掛屋や郷宿、地役人屋敷、寺社仏閣のほか、明治以降に建築された社宅をはじめとした鉱山関連居住施設、西洋文化を取り入れた擬洋館、製錬後の残滓を再利用したカラミ石などが残り、人々の生活、文化、信仰などとともに鉱山町独特の居住都市及び消費都市としての景観が継続されています。

基本情報

所在地 兵庫県朝来市生野町口銀谷地内 他
選定年月日 平成26年3月18日
選定基準 (六)鉱山・採石場・工場群などの採掘・製造に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地選定基準の詳細はこちら

地図

フォトギャラリー

市川で舟を漕ぐ(昭和期)
海崎医院(大正期)
旧混汞所(現綜合事務所)
坑夫たち
生野踊り(昭和30年代)
日下旅館(大正期)

生野踊り口説き(平成20年代)

お問い合わせ情報

担当課 教育委員会文化財課
住所 〒669-5153 兵庫県朝来市山東町大月91-2 朝来市埋蔵文化財センター「古代あさご館」
電話番号 079-670-7330
関連サイトURL https://www.city.asago.hyogo.jp/0000003263.html
アクセス ○JR播但線「生野駅」下車。「生野駅」が文化的景観範囲内にあります。
○播但連絡有料道路「生野」ランプ下車。文化的景観範囲内にあります。