和束の茶業景観(仮)
わづかのちゃぎょうけいかん

文化的景観の紹介
和束町では、北側の山域の中腹を走る「和束谷断層」によって生まれた「断層角盆地」の地形が巧みに活かされています。川沿いの低地は水田、一段高い場所は居住域、周囲の丘陵は茶園や里山、背後の急峻な山地は山林として役割分担されてきました。石積みで段状に造られた屋敷地からは、いぶし銀瓦の屋根越しに美しい茶園の景色が広がり、斜面の等高線に沿って緩やかな曲線を描くやまなりの茶の畝も、和束の茶業景観を特徴づける大きな魅力です。
和束の茶業は、近世以降の宇治茶生産の歩みをいまに伝えています。もともと屋敷地に近い緩斜面では、柑橘類や養蚕のための桑、茶、薪など、生活のための様々なものが生産されていました。しかし明治期になると、お茶の輸出需要の拡大に伴い、茶の生産へと特化していきました。
その後、昭和30年代には山林を開拓して茶園を広げ、40年代以降は米の生産調整を契機に棚田を茶園へと転換しました。平成以降は機械で摘む「はさみ碾茶(てん茶)」の生産技術を確立し、伝統を守るだけでなく新しい技術に積極的に挑戦し、京都府を代表する茶生産地へと発展しました。
こうした自然と歴史の土台のうえに、和束町ならではの暮らしと生業が展開されています。各茶農家は、自家で製茶できる量に収穫量を合わせるため、品種や立地、標高差を活かして分散的に茶園を所有し、お茶を摘み取る時期をずらしています。その結果、茶園全体としてのまとまりを保ちながらも、栽培方法や見た目が異なる茶畑が複雑に組み合わさり、「モザイク状で多彩ななりわい景観」が形作られています。また、敷地内には茶工場が並んで建つ「職住一体」の屋敷構えが見られます。各地区では、氏神神社での祭礼や地蔵盆などの地域行事が今も大切に受け継がれており、人々の温かい繋がりがしっかりと維持されています。
和束の茶業景観は、日本茶を代表する「宇治茶」の生産の歴史と現在を未来へと伝えるものです。人々の絶え間ない営みが今も継続されている、かけがえのない生業景観です。
基本情報
| 所在地 | 京都府相楽郡和束町 |
|---|---|
| 選定年月日 | 取組中 |
地図
フォトギャラリー
- 石寺の茶園
- 八十八夜ごろの新芽(石寺)
- 出品茶の手摘み(石寺)
- 斜面地での茶の刈り取り(石寺)
- 2人刈りによる茶の摘採(石寺)
- 原山の居住域と茶園
- 屋敷地内にある木造の茶工場(原山)
- 茶工場での製茶のようす(原山)
- 区護地蔵(石寺)
- 氏神神社の大神宮社(撰原)
お問い合わせ情報
| 担当課 | 和束町まちづくり応援課 |
|---|---|
| 住所 | 〒619-1295 京都府相楽郡和束町釜塚生水14-2 |
| 電話番号 | 0774-78-3002 |
| アクセス | JR関西本線加茂駅下車、奈良交通バス(和束町原山行)に乗り換え |









