宇和海狩浜の段畑と農漁村景観(仮)
うわかいかりはまのだんばたとのうぎょそんけいかん
文化的景観の紹介
愛媛県西予市は、四国地方南西部に位置し、西は宇和海から東は四国カルストまで東西に長く、高低差は0~1,400mまであり、多様な自然景観を有します。狩浜は西予市南西部に位置し、地区全体が宇和海に面します。海岸部はリアス海岸が広がり、集落の背後には、間近にまで山々が迫ります。民家は海沿いの狭い平地に密集し、耕地は山の斜面に階段状に広がり、段畑と呼ばれています。狩浜の段畑は、地元産出の石灰岩で築かれ、他には見られない壮観となっています。
狩浜地区は江戸時代より半農半漁の暮らしが続き、現在も、漁業では真珠や魚類の養殖業とシラス漁が行われています。海には真珠養殖筏が浮かび、浜にはシラスを干す干場が点在します。かつてはイワシ漁が盛んでしたが、今はその面影は殆んどありません。
段畑は江戸時代、自給用の芋、麦を栽培していましたが、明治以降に養蚕業が入ると桑を植え付け、石灰岩を利用した段畑の石垣化が進みました。養蚕業は戦時中に衰退し、戦後一時期、再び芋、麦になりましたが、昭和30年代からは、みかん栽培が発展し、現在では県内有数の産地となっています。
集落内には、養蚕業が盛んだった頃に建てられた養蚕・居住兼用の家屋や養蚕小屋、納屋等が多数残り、伝統的な集落景観が保たれています。また、春日神社の秋季大祭は、住民が最も楽しみにする行事で、この時は帰省者も多く、皆が親睦を深めるものとなっています。祭りには、神輿の海上渡御が行われ、牛鬼、五つ鹿踊、御船、角力練り、太神楽等のお練りも、昔から続いています。
この様に狩浜には、「農漁村」として歩んできた集落景観が良好に残され、温暖な宇和海に面した愛媛県南予地方の伝統的な生活・生業を理解する上で欠く事の出来ない景観地であると言えます。
基本情報
所在地 | 愛媛県西予市 |
---|---|
選定年月日 | 平成31年2月26日 |
選定基準 | (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(四)養殖いかだ・海苔ひびなどの漁ろうに関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 西予市教育委員会 教育部 文化体育振興課 文化振興係 |
---|---|
住所 | 〒797‐8501 愛媛県西予市宇和町卯之町三丁目434番地1 |
電話番号 | 0894-62-6416(課直通) |
関連サイトURL | http://www.city.seiyo.ehime.jp/ |
アクセス | (自動車で松山市から高速道路を利用する場合) 松山IC→西予宇和IC→宇和明浜線・野福峠経由・・・約1時間20分 (JRを利用する場合) JR予讃線:松山駅(特急)→卯之町駅下車・・・約1時間 (※下車後は、バスまたはタクシーへの乗り換えが必要です。) |