一関本寺の農村景観
いちのせきほんでらののうそんけいかん

一関本寺の農村景観

文化的景観の紹介

本寺地区は、一関市街地及び歴史的な関わりの深い平泉 中尊寺から西方に約19㎞離れた中山間地にあり、かつては骨寺村と呼ばれ、「吾妻鏡」や「中尊寺文書」、「陸奥国骨寺村絵図」により中尊寺経蔵別当領であったことが知られており、中世東北において絵図に描かれた唯一の村として歴史学分野では古くから注目されてきました。

このような歴史を有する本寺地区には、中世に描かれた絵図と、堂社・水田・屋敷地の配置構成が極めて類似しており、中世の絵図に描かれた「田屋敷」と呼ばれる屋敷と水田がセットとなった屋敷地が点在する景観が現存しています。

また、雑木林の里山と、自然地形に合わせた水田、イグネと呼ばれる屋敷林に囲まれた人家と畠からなるこの地区では、屋敷地は冬の強い西風から家屋を守るためのイグネに囲まれ、平野部には緩やかに傾斜する自然地形に沿ってつくられた用水路網や、田越しの灌漑が残るなど、多様かつ複合的な環境のもとで豊かな生態系が維持され、周囲の里山と相まった調和のとれた農村景観が残されています。

さらに、中世の骨寺村の水田は、丘陵部からの沢水と本寺川の水を利用するものでありましたが、江戸時代に磐井川の水を山王山の麓で水路に引き入れて水田を拡大したものの、村の水系そのものは大きく変わることはなく、緩やかに暮らしを発展させてきた様子を窺い知ることができます。

基本情報

所在地 岩手県一関市
選定年月日 平成18年7月28日(平成27年1月26日追加)
選定基準 (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら

地図

フォトギャラリー

お問い合わせ情報

担当課 一関市教育委員会 文化財課文化財係
住所 〒021-8503 岩手県一関市竹山町7-5
電話番号 0191-26-0820
関連サイトURL http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/
アクセス 一関ICから車で約20分
一関駅から車で約30分