四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田
しまんとがわりゅういきのぶんかてきけいかん じょうりゅういきのさんそんとたなだ

四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田

文化的景観の紹介

梼原町は、高知県の北西部、四万十川上流域にあり、日本3大カルストの一つ四国カルストの五段城(標高1456m)に源を発する四万十川最大の支流、梼原川の源流域に当たります。

梼原町は極めて平地が少なく、町内各所に点在する水田はその殆どが石垣によって築かれた小規模な棚田で、その総面積は236haに及びます。中でも神在居の棚田(2.3ha)は町内の棚田の中でも勾配が厳しく、小さな水田を、現流域の乏しい水を合理的に利用しつつ耕作を続けてきました。

また、豊かな森林は藩政時代から地元民の財産であり、人々は集落の共有地として常に共同で管理し、火入れをして採草するとともに樹木を伐採して薪の採取や製炭を数十年のサイクルで行ってきました。特に昭和30年代に高まった国内の木材需要に応えるために行われた拡大造林により、梼原町は大林業地帯となりました。

1990年代以降においても地域内連係の組織化や国際的な森林認証制度(FSC)による高付加価値化を積極的に図ることにより地域づくりを推進してきました。

梼原川の上流部は急峻なV字谷で直線的な景観を見せていますが、四万十川特有の蛇行が始まる松原集落から下流では、川幅も広くなり、昭和初期までは「センビ」と言われる川船が往来し、木炭・ミツマタ・ワラビ粉などの特産品を下流に運び、逆に塩や酒などの日用品を積んで戻るという流通が行われていました。

また、四万十川流域では降水量が多いため、増水時に水没することを前提として架けられた「沈下橋」が多く見られます。梼原川流域では8つの沈下橋が現存しています。

「四万十川流域の文化的景観 上流域の山村と棚田」は、このような四万十川上流域の厳しい自然条件の下で営まれた林業と小規模な棚田の耕作などの複合景観によって形成された文化的景観です。

基本情報

所在地 高知県高岡郡梼原町
選定年月日 平成21年2月12日
選定基準 (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(三)用材林・防災林などの森林の利用に関する景観地(四)養殖いかだ・海苔ひびなどの漁ろうに関する景観地(五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地選定基準の詳細はこちら

地図

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お問い合わせ情報

担当課 梼原町教育委員会事務局 生涯学習課 生涯学習係
住所 〒785-0610 高知高岡郡梼原町梼原1444-1
電話番号 0889-65-1350
アクセス ●車(高速利用)
高知IC-須崎東IC 約30分
高知-梼原      約1時間30分
松山-梼原      約1時間30分