最上川上流域における長井の町場景観
もがみがわじょうりゅういきにおけるながいのまちばけいかん

最上川上流域における長井の町場景観

文化的景観の紹介

長井市は、山形県を貫流する最上川の上流域、長井盆地の中央に位置しています。南方の飯豊連峰から流下する置賜白川と西方の朝日連峰から流下する置賜野川は、それぞれ長井盆地に扇状地を形成し、最上川と合流します。置賜野川は、山間部の谷間に集まる豊富な水を運び、盆地に到達すると約90度流れを変えることから、扇央部の農村及び扇端部の町場に幾度も大洪水をもたらしました。宝暦七年(1757)の大洪水の後には、農村と町場を水害から守るため、幕府と米沢藩による大規模な締切堤防が扇頂部に建設されました。同時に置賜野川へ木蓮堰を建設し、農村と町場を流れる水路網に水流を分散させ流量を制御していました。

扇央部の農村では、その水を利用して水田が開かれ、水田に点在する散居形式の土地利用が展開しています。置賜野川上流の山間部で伐採された木材を山の傾斜と急流を利用する「木流し」が行われ、米などの農作物や桑、漆などを生産し、町場の発展を支えてきました。

長井の町場は、置賜野川と最上川が合流する扇端部の微高地に展開し、中世以前からの門前町及び宿場町などの性格が複合する二つの在郷町、北の「宮村」と南の「小出村」が核となっています。両村は、米沢方面や越後方面、出羽三山へ向かう街道沿いに隣接し、それぞれに設置されていた宮村館・白山館が政治的拠点となり、宮の十日町・小出のあら町が、商いの中心として町場発展の基盤となっています。特に、元禄六年(1693)米沢藩の御用商人である西村久左衛門が最上川舟運の難所であった五百川峡や黒滝の開削工事を成功し、宮村には米沢藩の船着場や青苧蔵、上米蔵が、小出村には商人衆による船着場が設置され、置賜地方西部における物資の集散地・商業地として流通・往来の中心となりました。

町場の商家群は、敷地内水路を利用した醤油や日本酒などの醸造、及び商店など現在も生業を継承するものが多く、通りに面して間口が狭く奥行きの深い短冊状の土地利用が連なり、店・主屋・作業場・小屋・蔵が建ち、その間を生活用水として水を引く「入り水」や屋敷へ引き込み台所として利用する「入れかわど」などが見られます。町中には水路網が巡り、洪水対策(分水)や、水利用の工夫(「かわど(階段状の洗い場)」、立体交差する水路など、水をコントロールして利用するかたちが多く残ります。

このように、最上川上流域の自然風土及び、江戸時代からの最上川舟運による流通・往来による繁栄に由来し、現在も継承されている地割や商家群、水路などから成る長井の町場景観です。

基本情報

所在地 山形県長井市
選定年月日 平成30年2月13日
選定基準 (五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら

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お問い合わせ情報

担当課 長井市教育委員会文化生涯学習課文化係
住所 〒993-0085 山形県長井市高野町二丁目7番37号
電話番号 0238-84-7677
関連サイトURL http://www.city.nagai.yamagata.jp
アクセス 自動車:東京(東北自動車道・約300㎞)--→福島飯坂(国道R13・県道R287)長井
鉄 道:東京駅(JR山形新幹線つばさ・約2時間半)--→赤湯駅(山形鉄道フラワー長井線・約30分)--→長井駅
飛行機:羽田空港(東京・約1時間)--→山形空港(連絡シャトルバス・約40分)--→山形駅(山交バス・約1時間)--→長井