大溝の水辺景観
おおみぞのみずべけいかん

大溝の水辺景観

文化的景観の紹介

「大溝の水辺景観」は、高島市南部の湖岸一帯に広がる水辺の景観です。南部には湖岸砂州により琵琶湖と隔てられた内湖の乙女ヶ池、中央部には戦国時代末期に織田信長が内湖を濠に取り込んだ水城として築かせた大溝城の天守台跡、そして北部には城下の町並みが残り、地域の自然環境と歴史、人々の暮らしを伝えています。

乙女ヶ池は、かつては琵琶湖の周辺に数多く存在した内湖の一つで、内湖と琵琶湖に挟まれた砂州上の細長い地帯に家並みが連なる湖岸独特の集落景観を形成しています。また、内湖に流れ込む複数の河川の源流地が集落のすぐ背後の山林にあり、周辺に暮らす人々は、山地の豊富な湧き水からも、様々な恩恵を受けることができました。

この地には、琵琶湖の西岸を南北に走る古代北陸道が通るとともに、古くから湖上交通の拠点として知られた勝野津があり、日本海からの物資運搬の中継点、また湖上航路の主要な湊の一つとして発展しました。さらに戦国時代後期に織田信長の甥にあたる織田信澄が大溝城とその城下町を建設するとともに湊の整備を行うと、大溝の地は湖西における主要な港町、城下町として、近世、近代を通して隆盛を続けることになりました。

そうした大溝の城下町内では、近世以来の歴史を持つ古式上水道システムが現在も維持されていて、それに伴う水路や、「タチアガリ」と呼ばれる分水塔などの施設を見ることもできます。

このように、琵琶湖、乙女ヶ池、湊、水路、湧き水、古式上水道など、さまざまな「水」に隣接して暮らす人々が作り上げた景観が、「大溝の水辺景観」であり、その水利用の在り方が現在も目に見える景観として良好に残されていることが、この地域の最大の特徴であるということができます。

基本情報

所在地 滋賀県高島市
選定年月日 平成27年1月26日
選定基準 (五)ため池・水路・港などの水の利用に関する景観地(七)道・広場などの流通・往来に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら

地図

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お問い合わせ情報

担当課 高島市教育委員会 教育総務部 文化財課
住所 〒520-1217 滋賀県高島市安曇川町田中455
電話番号 0740-32-4467
関連サイトURL http://oomizo.shiga.jp/
アクセス JR湖西線 近江高島駅下車 すぐ