蘭島及び三田・清水の農山村景観
あらぎじまおよびみた・しみずののうさんそんけいかん
文化的景観の紹介
「蘭島及び三田・清水の農山村景観」は、和歌山県の中央部を流れる有田川上流域にあります。大部分を山間地が占める厳しい自然条件下にあって、有田川の穿入蛇行によって生み出された特徴的な河岸段丘を舞台に、人々による様々な生業活動によって形成されてきた文化的景観です。景観の中核をなす蘭島(あらぎ島)は、有田川に沿って扇形に張り出す対称的な河岸段丘地形に営まれた全国的にも珍しい棚田景観であり、審美的な価値が高く評価されています。有田川上流域は、高野山文書に記載されるなど早くから開発が行われてきましたが、江戸時代には大庄屋笠松左太夫による集落整備と耕地開発が遂行されました。
笠松は、明暦元年(1655)に有田川の支流である湯川川から引水して3km以上の水路を開き、蘭島をはじめとした新田開発や、現在にも受け継がれている保田紙の生産を興しました。この地域の主な生業は、農業を中心に林業やシュロ皮生産といった山仕事の他、養蚕や紙漉き、炭焼きなど様々な副業によって暮らしが営まれてきました。その中でも保田紙の生産は、豊富な水と霧の発生しやすいこの地域の気候条件を活かした産業であり、主に女性の仕事として貴重な収入源でした。この地域では、古くから灌漑用水路は「湯(ゆ)」、水利組織は「田人(たど)」と呼ばれており、用水路は今も田人の人々によって共同管理され、田越しの灌漑が残るなど伝統的な水利慣行が今に継承されています。
重要文化的景観の選定範囲は、蘭島に用水する上湯用水路によって水田が営まれている地域と、笠松左太夫によって紙漉きの村として開拓された小峠地区、歴史ある眺望地であり、緩斜面を利用した棚田景観が広がる三田区の一 部を含めた110.7haの範囲です。
基本情報
所在地 | 和歌山県有田川町 |
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選定年月日 | 平成25年10月17日 |
選定基準 | (一)水田・畑地などの農耕に関する景観地(八)垣根・屋敷林などの居住に関する景観地選定基準の詳細はこちら |
地図
フォトギャラリー
お問い合わせ情報
担当課 | 有田川町教育委員会社会教育課 |
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住所 | 〒643-0153 和歌山県有田郡有田川町中井原136-2 |
電話番号 | 0737-52-2111 |
関連サイトURL | http://www.town.aridagawa.lg.jp/aragijimakeikan/ |
アクセス | JR紀勢線藤並駅下車 有田鉄道バス、タクシー利用で約1時間。 有田IC・有田南IC出口 国道480号線経由で約1時間。 |