阿蘇の文化的景観 根子岳南麓の草原景観
あそのぶんかてきけいかん ねこだけなんろくのそうげんけいかん

文化的景観の紹介

阿蘇地域は過去数回にわたる大規模火山活動により東西約18㎞、南北約24㎞に及ぶ世界屈指のカルデラが形成されました。平安期の「延喜式」には既にこの地域で草原と人の関わりを示す記述があり、人々は焦土となった阿蘇の台地を、草原から得られる草肥と長い年月を費やして豊かな水田へと転換してきました。カルデラ上部に広がる広大な草原(資源)の恩恵を平等に享受するために上部の草原と、陥没カルデラ底部の耕地を結ぶ形で「耕地-集落-森林-草原」という垂直的な土地利用(集落域の配置)が生まれ、環境に合わせた地域文化の積み重ねにより、阿蘇地域の文化的景観が形作られてきました。

山頂の凹凸が際立つ根子岳がランドマークの高森町は、阿蘇山中央火口丘の南東に位置する町で、比較的緩やかな斜面を有する南郷谷と、カルデラ外の外輪山上の山東地区から成ります。マグマから形成されたと見られる柱状節理の岩体が特徴的な『らくだ山』からは、阿蘇五岳と南郷谷が見渡せます。南郷谷の中央火口丘山麓と外輪山の斜面は放牧と採草地に利用されており、根子岳の山麓では高冷地野菜の栽培が盛んなほか、南郷檜の林も広がっており、なかには樹齢数百年生も散見されます。日本国内で唯一である南郷檜の挿し木による育成方法は江戸時代から脈々と受け継がれており、人々の営みにより支えられた阿蘇の草原同様、この地域には欠かせない重要構成要素のひとつとなっています。

基本情報

所在地 熊本県高森町
選定年月日 平成29年10月13日
選定基準 (二)茅野・牧野などの採草・放牧に関する景観地選定基準の詳細はこちら

地図

お問い合わせ情報

担当課  高森町教育委員会 社会教育係
住所 〒869-1602 熊本県阿蘇郡高森町大字高森2168
電話番号 0967-62-0227
アクセス 熊本空港から車で約50分